せっかくビットコインの売買で稼いだんだから、税金はなるべく安くしたい!と思う方も多いのではないでしょうか?

節税についてちょっと調べてみると、青色申告という言葉をよく聞きます。青色申告のメリットとして

 ・利益から65万円を無条件に控除
 ・家賃、水道光熱費などを経費にする際、家事按分比率が50%以下でも経費にできる
 ・赤字を繰り越せる
 ・家族に給料が払える

など、税金を計算するうえで有利(節税できる)なルールがあり、ネット上にもそのような情報が溢れています。

このため、ビットコインの税金の相談にくる方たちからもよく聞かれます。

『私は青色申告できますか?』
『私の場合、家賃や水道光熱費はいくらまで経費にしても大丈夫ですか?』

そこで、まずはどのような場合に青色申告が認められるのか?紹介します。

1. そもそも青色申告とは?
ビットコインで利益が出たら、確定申告が必要です。この確定申告をするときの方法として青色申告と白色申告という2つの方法があります。
2.青色申告と白色申告の違い
白色申告は、簡単な帳簿づけでOKですが、先ほど紹介したような青色申告に適用される特典が適用されません。

白色申告は、個人事業を始めて間もない方や、所得が少ない方が選択する傾向にあります。青色申告は、白色申告よりも難しい帳簿づけをする必要があり、弥生会計などの会計ソフトを購入し、日々の取引を入力していく必要があります。
個人事業を開業して、特に何も申請をしなければ白色申告の扱いになります。青色申告するには、事前に税務署へ申請書をだしておく必要があります。
3. ビットコイン投資を副業でしている場合は青色申告できない
 青色申告は、事業所得・不動産所得・山林所得にのみ認められます。
 通常、副業のビットコイン投資は雑所得扱いとなります。このため、青色申告が認められる所得に該当せず、青色申告の特典を使って節税することもできません。
 突然、謎の言葉をたくさん使ってしまい、すみません。1つずつ、解説していきます。

4. ビットコイン投資で得た利益は何所得!?
 ビットコイン投資で利益がでた場合、確定申告が必要になり税金を払います。
 確定申告(税金の世界)では、利益のことを所得と呼び、この所得が9種類に分けられています。

1. 利子所得
2. 配当所得
3. 不動産所得
4. 事業所得
5. 給与所得
6. 退職所得
7. 山林所得
8. 譲渡所得
9. 一時所得
10.雑所得

この10個の所得の種類の中でどれに該当するかで、税金の計算方法が変化します。そして、青色申告が認められているのが、この中の不動産所得・事業所得・山林所得のみとされています。

詳しく知りたい方へ(それぞれの所得の内容について。読み飛ばしてもOK。)
1. 利子所得は、預金を預けていると銀行がくれる利息のことです。
2. 配当所得は、株を保有することでもらえる配当金のことです。
3. 不動産所得は、土地や建物を貸して得られる家賃収入などのことです。
4. 事業所得とは、会社を脱サラして自分で事業を始めた人が稼いだ利益のことです。
5. 給与所得とは、会社員の方が会社からもらう給料のことです。
6. 退職所得とは、退職金のことです。
7. 山林所得は、山林の所有者が生えている木を伐採・売却することで得られる利益です。
8. 譲渡所得は、土地や建物などを売却した際に得られる利益です。
9. 一時所得は、馬券で一発当てた場合などの利益です。
10.雑所得は、上記以外の利益です。ビットコインを副業でした場合の売却益もこの雑所得に該当します。

この記事を読んでいただいている方の中では、副業でビットコイン投資をする方が一番多いかと思います。副業の場合、この10の所得分類の中で雑所得に該当することになります。雑所得には青色申告が認められていないため、結果として青色申告ができない、ということになります。

5. ビットコインで得た利益を青色申告できる場合
しかし、すべての方が青色申告できないわけではありません。
先ほどの10の所得分類の中で、不動産所得・山林所得・事業所得に該当する場合は青色申告が可能です。不動産所得・山林所得にはどう頑張っても該当しませんが、ビットコイン投資が事業所得に該当すれば、青色申告が可能です。
会社員でもなく、不動産収入もない。ビットコイン投資で得られる利益で生活をしている場合。専業トレーダーの方であれば、事業所得として青色申告が認められます。

事業所得として認められるには、いくつかの要件があります。
・「一定規模の収入が継続して得られること」
・「相応の労力を要する」
・「人や設備を投入している」
・「職業として認知されている」
・「生活の糧となっている」
といった点も基準とされ、総合的に判断されます。この判断基準もネット上で調べると出てくるため、こんな質問も受けることがあります。
『副業だけど、本業より稼いでます。青色申告できませんか?』と。

6. 副業だけど、青色申告できませんか?
これは、個別にあなたのビットコイン売買の状況を聞いたうえで判断することになります。税理士によっても、税務署によっても見解が分かれる可能性があります。なぜなら、法律上、明確に規定されていないからです。

例えば、次のようなケースであれば会社員をしながらの売買であっても青色申告できる可能性があります。

・「一定規模の収入が継続して得られること」
 ここ3年間、会社の収入以上に稼いでいる
・「相応の労力を要する」
 会社で働く時間は8時間。会社以外の時間はほぼ売買に費やしており、一日8時間以上取引をしている
・「人や設備を投入している」
 アービトラージにも挑戦しており、取引所間の価格差をチェックするため、アルバイトを採用し、売買を任せている
・「職業として認知されている」
 平日夜や、週末にはビットコイン売買のプロとして、セミナーや塾などを開催し、参加者からビットコイン売買のプロと認知されている
・「生活の糧となっている」
 ビットコイン売買の利益で暮らしており、会社の給料には手をつけず、すべて貯金されている状態

ここまでいくと、かなり厳しいかもしれませんが、要はガチでやってるかどうか。ちょっと売買してみて俄に儲かったから節税目的で青色申告しよう、っていう気軽な気持ちじゃないか、といった判断になります。

このため、何をどこまでしていれば青色申告なのか?がはっきりしておらず、悩む方が多いというのが実情です。

7. 青色申告していて、後から税務署に覆されることもある
これまで書いてきたことが、青色申告できるかどうかの判断基準となります。
先ほどの基準を読んで、自分なら青色申告だ!と思った方は、税務署に青色申告の承認申請書を提出し、青色申告で確定申告をすることになります。

税務署へ確定申告の書類を提出して、受け付けてもらえたから、青色申告として認められているか?というとそういうわけでもありません。

現在の日本の確定申告は、申告納税制度というルールに基づき運営されています。簡単に言えば、

1. 税金のことを勉強して、自分で正しく確定申告してね
2. あなたの確定申告が正しくないと判明したら後から修正するからね

という制度です。青色申告をしていても、後日税務調査が入り、実は青色申告の要件を満たしていなかった・・・と判明してしまうと、青色申告しなかった場合(有利な節税のルールが使えなかった場合)の本来払うべき税金と、当初払っていた税金の差額を後日支払うことになります。その際には、ペナルティの税金も上乗せされてしまいます。
このため、自分が青色申告に該当するかどうかは慎重に判断する必要があります。

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順次、記事を追加しています。全体像はこちら。

ビットコイン・仮想通貨投資と税金

1.ビットコイン・仮想通貨の売買と税金

 ・所得税の仕組み
 ・ビットコイン・仮想通貨の利益は雑所得?それとも事業所得?
 ・ビットコイン・仮想通貨で青色申告はできるか?
 ・経費はどこまで認められるか?
 ・繰越損失はできるか?
 ・住民税や健康保険への影響
 ・ふるさと納税で節税しよう
 ・副業のビットコイン・仮想通貨収入を会社にバレないよう確定申告する方法

2.ビットコイン・仮想通貨の保有と税金

 ・ビットコイン・仮想通貨と他の仮想通貨を交換した場合
 ・ビットコイン・仮想通貨で何か買い物をしたとき

3.ビットコイン・仮想通貨をマイニングした場合の税金

 ・マイニングのためのパソコンは経費になる?
 ・スパコンは減価償却が必要。減価償却とは?
 ・水道光熱費や家賃は経費になる?
 ・マイニングに成功すると、使わなくても税金がかかる!?

4.ビットコイン・仮想通貨マイニング会社へ投資した場合の税金

 ・ビットコイン・仮想通貨マイニング

5.会社を設立してビットコイン・仮想通貨の利益を節税

6.確定申告の具体的な方法

7.ビットコイン・仮想通貨の利益と税務調査

 ・ビットコイン・仮想通貨の利益はバレない!?
 ・ビットコイン・仮想通貨の利益はこうしてバレる!
 ・本当に怖い脱税した場合の話